オランダのアムステルダム市では極力車の数を増やさないよう努力をしています。市の中心地区の住民のための駐車許可の順番待ちが目下3年とも4年とも言われています。ですが、市電を中心とした公共交通機関が良く整い、市内の移動に車の必要性は感じません。また、運河に縁取られた都心の道幅は狭いということもあって、この町で一番便利な乗り物はぼろ自転車です。ぴかぴかの高級自転車はだめ。盗まれてしまいます。
車といえば、滑稽なくらい小さくまるでおもちゃにしか見えない超小型車が走っています。(長さ:2500mm 幅:1515mm 高さ:1529mm 重さ:720kg)運河沿いの一車線を走り抜け、狭い駐車スペースにもぐりこませるには最適です。これはメルセデスベンツの新車で、スマートシティクーペというシリーズ(日本円にして110万円~150万円の価格帯 17.5%の付加価値税込み)で、今もっともおしゃれと話題になっている車です。もちろん購入の際はリサイクルコストを取られます。税込価格18950ギルダーに対してリサイクルコストは150ギルダー、0.08%弱です。
それよりもっと小さい車があります。自転車道を走ることを許可されている身体障害者用の小型車です。二人乗りで、後ろには折りたたんだ車椅子が収納できます。実際大型バイクほどしか場所を取りません。この身体障害者用小型車は、障害者が医師の診断と助言をもとに役所に申請し、審査の結果補助金を受けて、個々の障害に合わせた車を注文し、出来上がった車とともに自転車道走行許可を受けるのだそうです。車道を走る事もでき、最高時速は45kmだそうです。製造メーカーは未上場の小さな会社ですが、何とニッポンのホンダのモーターが搭載されています。
ともすれば環境負荷が大きいと冷たい目で見られがちな車ですが、お年寄りを乗せてお行儀よく走って行く明るい色の超小型車を見ていると、なるほど文明の利器であるなと感じざるを得ません。