今回の新型コロナ感染症(COVID-19)危機について、2月の非常事態宣言後、ドイツのメルケル政権の迅速な対応、適切な政策遂行とその結果が、注目されていますが、ドイツの民間企業の対応にも、感心させられました。当社の関係するNASPAという金融機関からは3月に以下のようなメールが届き、コロナウイルスの業務への影響について、クライアントにていねいに説明していますので、ご紹介しましょう。これらは、企業のCSR(社会的責任)の観点から、大変評価できます。このレターにより、コロナ規制のなかで、いかに、提供できるサービスの質を保つか、銀行の努力が伝わるとともに、危機についてのクライアントへの啓発にもなっているからです。
・NASPAはコロナパンデミックを阻止するための取り組みとして、幼稚園が閉鎖されている間に従業員の多くが子供たちの世話をするために在宅しなければならないという事実を考慮し、一部の支店のみを営業することに決定いたしました。
•当社の従業員とコンサルタントは、通常の電話番号、もしくはオンラインでも、いつでも対応させていただきます。
•現在も営業しているすべての支店での金庫は、引き続きアクセス可能です。他のすべての支店でも、事前の電話予約により、緊急の場合にはアクセスを手配できます。
•株式の注文は、電話でパーソナルコンサルタントに発注するか、もしくはまだ営業している支店のいずれかで、受け付けることができます。
•現金は通常通り、支店に設置されたATMにより提供されます。
•インフルエンザ様の症状のある方は、社会的責任の観点からも、ご来店はご遠慮ください。
•現在の状況を和らげるためにも、可能な場合はいつでも、オンラインバンキングと「Sparkassen-App(当社のアプリ)」をご利用ください。
健康を維持し、当社のデジタルコンサルティングサービスをご利用ください!
警告:当社の従業員が、特にオンラインバンキング用のアクセスデータなどの機密データを、個別に要求することは決してありません。あなたからそのようなデータを取得しようとする人には注意してください。
日本では、政府の外出自粛要請が続くなか、雑談など不要不急の要件で、金融機関の店舗に来店する人が増えているとの報道もありました(東京新聞2020年4月29日)。
日本でも、クライアントに対して、コロナ危機のなかで、金融機関のおかれている状況の説明と業務上の取り組みを、より具体的に発信し、前もってオンラインバンキングへの誘導をはかるなどの措置があれば、このような混乱は緩和されていたのではないでしょうか。
株式会社グッドバンカー
リサーチチーム