最近、法律家、会計士など自分の専門性でサステナビリティに貢献するという世界的な潮流があります。
例えば、「ClientEarth(クライアントアース)」は、環境問題を専門に扱う法律事務所です。「法律的なアクションで、グリーンな未来を」「法律は強力なツール、世界を変える!」「法律をイノベーティブに使う」「法律のパワーと影響力を極大化」と高らかに唱えており、ポーランドやギリシャなどで、石炭火力発電所の拡張や運転の差し止めを求めて訴訟をしたり、ドイツの石炭産業への政府の補助金支出に対する訴状を提出、また石油会社のBPに対して、クリーンなエネルギーへ投資していると言っている額の4%しか投資していないことを明らかにして、“グリーン・ウォッシュ”と批判しました。
「気候変動は人権問題」として、国連の人権委員会に海面上昇で住めなくなる島の住人が、「先祖からの土地とライフスタイルを失うことは人権侵害」とオーストラリア政府を訴えたケースもサポートしており、今後も、プラスチック汚染、空気、森、化学物質などの問題に法律家のアプローチで関わるとしています。
設立は2007年で、アメリカのマッキントッシュ家の財団トップの女性により創立されました。スタッフも女性中心です。ほとんどが若い法律専門家で、女性120名、男性44名(2017年現在)となっています。ロンドン、ブリュッセル、ワルシャワ、北京にオフィスがあり、世界20カ国で活動中です。世界初の環境という公益のための法律家集団を標榜しています。
また、世界会計士協会でも、企業のコーポレートガバナンスがサステナブル経済のエンジンであり、会計士の役割が重要だとしています。また、企業において、会計士はCEOや最高財務責任者(CFO)、また会計報告、内部統制、財務の責任者として、企業統治の鍵を握るからです。
「会計士はチェンジメーカー」「CFOからCVO(Corporate Value Officer)=最高価値責任者へ」と謳い、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)要因を財務実績と統合させ、ビジネスの運営方法を変革し、真に持続可能なビジネスモデルに移行するために企業へアドバイスすること。そのために、適切な資金調達、戦略的な投資決定、情報システムの強化、競争上の課題、規制環境の適応などについて、企業をサポートするとしています。また、独立した外部監査人として、企業のESG目標の達成を監査し、投資家やその他のステークホルダーの判断に資することも、役割としてあげています。
参考資料:International Federation of Accountants ホームページ
「Accountants Can Support Sustainable Corporate Governance」
株式会社グッドバンカー
リサーチチーム