エコ技術を長期で追いかける

SRIアナリストは、企業のESGへの取り組みがいかに競争力に結びつき、企業価値の向上と、株価の中長期的な上昇につながるかということを、絶えず考えています。そのため、業界動向、技術開発のトレンド、企業の情報開示姿勢の変化など数字にあらわれないファクターが、実際の企業行動のファクトに、どのように表れるかを注視しています。

特に技術開発のトレンドは長期的に見守っています。例えば、水の技術としては最初のイノベーションといわれる「ウルトラファインバブル」を利用した洗濯機が、2018年5月に発売されました。ウルトラファインバブルは浮力がなく、繊維や細胞にも浸透していき、泡なので化学的なダメージがありません。今までは、洗浄力を上げるには、「強く洗う」や「長く洗う」といった、エネルギーが必要な方法しかありませんでしたが、ウルトラファインバブルはエネルギーをかけずに洗浄力を高めることができる、画期的なエコ技術といえます。

当社がこのエコ技術に注目したのは2016年で(※)、スペイン語に堪能なアナリストがアルゼンチンの新聞で発掘した記事からでした。すばらしい技術であっても、実際に商品化されるまでには、やはり時間がかかります。こうした環境技術を長期で追いかけることは、ESG調査にとっては不可欠な作業であり、アナリストは通常複数の技術テーマをかかえています。

2016年にお伝えしたように、日本はこの分野で最先端を走っています。日本の「ファインバブル産業会」の会員企業数は76社で、この洗濯機のように発生装置の製品を扱う会社と、測定装置を扱う会社が加入しています。肉眼では見えない泡なので、測定会社も重要な役割を担っています。ファインバブル産業会では、本当に発生しているかどうかを見極めて、優良なバブル利用企業を選別するために、政府系事業団とも協力して、この技術の国際規格化を進めているそうです。

今はインターネットで簡単に情報が手に入る時代ですが、ネットの情報は玉石混交で、頼り切るのは危険です。検索して読んだだけで、あたかも理解したかのように考えてしまいがちです。

当社では、正しい情報を手に入れるために、なるべく専門家に直接会い、最新の動向をつかむよう努力しています。

参考:※グッドバンカー社2016年6月「チューリップからウォーターまで -バブルの世界-」

東芝ライフスタイル株式会社 2018年5月17日ニュースリリース

https://www.toshiba-lifestyle.co.jp/about/press/2018/180517.html

株式会社グッドバンカー
リサーチチーム

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